今日考えたこと

得た知識や考えたことのメモをとるのが主目的です

虞美人草

頻出する修飾的な文語の文章たちがなぜ必要なのか、前後の脈絡との関わりが不明瞭であり、かつ文章自体の意味が不明な箇所が多く、漢詩の好きな読者に対しては受け入れやすいのかもしれないと感じた。要は、余計な表現が多すぎると感じた。
次作の「三四郎」では比較的わかりやすい口語表現に変わり、以後の全作品も同様の文体になる。「草枕」と「三四郎」にはさまれた試行錯誤の大作という位置にあるが名作とは言えない作品なのかもしれない。
しかし、明治時代の風俗が伺えて興味深い箇所も多くあり、話の流れもわかりやすくてなかなか面白い。20代の頃に読んだ時に比べて、ずっと全体の流れが理解できたので、対比して文語体の修飾文の問題点をはっきり感じとることができたのが、今回の収穫であった。