今日考えたこと

得た知識や考えたことのメモをとるのが主目的です

草枕

 1.山道を登りながら考えて、馬子に会う
 2.茶店で休憩し、店のおばあさんから那美さんのことを聞く
 3.宿に泊まり、夢うつつに部屋に入って来た女性を見る
 4.詩吟し、部屋の書を鑑賞し、宿の家の娘那美さんと会話する
 5.床屋で髪を切りながら、東京出身の腕のよくない主人と会話する
 6.部屋で画想を練り、那美さんが振り袖を見せるのを遠くから眺める
 7.浴場でくつろぎ、那美さんが入ってくるのを見る
 8.那美さんの父親から、和尚たちと一緒にお茶をごちそうになる
 9.那美さんと非人情について議論する
10.鏡が池を散歩し、馬子に会い、那美さんを崖の上に見る
11.夕方に散歩して大徹和尚と談笑する
12.画想を練りに丘を登り、那美さんと元夫のやりとりを見る
13.那美さんの甥の出征を駅で見送り、駅にいた那美さんと列車の中の夫の一瞬の邂逅を目撃し、那美さんのあはれのある表情に納得する

草枕の大筋は以上の通り。

結末から、この作品の主題は「価値のある人情」であり、言葉では言い表せない「もののあはれ」の価値が高い、ということを主張したように読める。

大筋を整理しても全体として支離滅裂でまとまりのない話だが、映像が伝わってくる場面が多々ある。また、個人的には、著者の様々な芸術に関する知識を興味深く感じる。例えば禅僧の書の話とか、あふれるように出て来る漢詩の名句とか、俳句作品、が印象的で、この作品の価値はそこにあるように感じる。
さらに個人的には、大徹という禅僧がいいアクセントになっているように感じられて、それが作品全体に禅味を加えているのが効果的でとても良い。