今日考えたこと

得た知識や考えたことのメモをとるのが主目的です

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

数十年前に読んだ時の読後感とは違って、地味な出来事の連続による構成を好ましく感じ、話の流れに破綻の無い緻密な文章で構成された名作だと思った。一部で批判があると聞く、禅寺に修行に入るエピソードに唐突な感じは受けなかった。起承転結の落差が小さ…

それから

再読してみて、「三四郎」に較べてはるかに緻密な文体で書かれているのに感心する反面、「三四郎」で感じられた余白のある文体による小説世界の広がりや余韻が感じられず、残念に思う。個々の場面と心理描写については興味深く感じたが、一方、全体的な筋の…

二百十日・野分

この2作は小品という位置づけで、世間的には有名な作品ではない。内容は、発展途上国としての日本における明治時代の貧富の差が主題になっており、現代の読者にはしっくりこない感じがある。 草枕と虞美人草の間に挟まれた時期のこれら2作品であるが、草枕…

虞美人草

頻出する修飾的な文語の文章たちがなぜ必要なのか、前後の脈絡との関わりが不明瞭であり、かつ文章自体の意味が不明な箇所が多く、漢詩の好きな読者に対しては受け入れやすいのかもしれないと感じた。要は、余計な表現が多すぎると感じた。次作の「三四郎」…