今日考えたこと

得た知識や考えたことのメモをとるのが主目的です

数学的対象と自然界の存在物の違い

落体の運動を記述する際に、距離と時間の関係式が当たり前のように提示される。でも、距離についてよく考えると、ある物体のどこから、目標の物体や場所のどこまで、を距離とするのかを正確に決めることが不可能であること、がわかる。 幾何学においては、実…

自然という書物は数学の言葉で書かれてはいないだろう

物理学の法則は現象を近似的に予言できるが、現実の物体のふるまいを完全に記述しているわけではない。 現代物理の源流となる学者の1人であるガリレイの有名な言葉に、自然という書物は数学の言葉で書かれている、という意味のものがある。数学の言葉で書か…

空間と座標

空間における位置は座標で表し、座標は実数値で表す、という記述が当たり前になっている。しかし、空間には、ちょっと考えてみるだけでも、反粒子を生み出す、光を始めとする電磁波の伝播を可能とする、などの潜在的微細構造を示唆する経験的事実があり、実…

深慮遠謀への道すじ

自然の数学化という軽慮浅謀に対する深慮遠謀は、どうあるべきか?

梨沢

土曜日に、房州アルプスに出かけて道に迷い、山の中をさまよううちに見つけた渓流を辿って下流に向かい、人里に無事出ることができた。その川が、沢登りで有名な梨沢だったので、その奇遇に驚いている。 もともと梨沢にはいつか行きたいという願望はあったが…

箱根八里

「箱根八里」で使用されている単語で、2回以上出てくる単語は以下の通り。 山:3回関:2回谷:2回天下:2回夫:2回武士:2回 ここから推察できるのは、この歌は、かつての武士の時代を箱根の山景色の中に詠み込むことで、明治時代も後半に入った時代において…

積分に登場する無限

電磁気学で、三次元の座標軸上に分布する電磁場の積分を、無限遠点まで行う場合がある。 しかし、宇宙空間は無限に大きくはないと思われるので、この積分計算には問題がある。 実際に計算される値は、小数点以下の数値が無限桁まで追加されていくイメージと…

多項式近似の推移

ケプラーの法則やニュートンの法則を現象に適用して数値計算をする場合に、例えば惑星の軌道を表す楕円の面積の計算時間の短縮化を図る、というのが当初の級数展開の用途であったのが、力学法則の微分方程式を近似的に解くために、例えば正弦関数やあるいは…

度重なる近似について

物理法則はすべて仮説、したがって法則の表現としての微分方程式は、必然的に近似式という姿をとって、法則という名の仮説を表現している。 さて、物理学では、微分方程式の解を求める際に、与えられた関数の式を多項式展開した数式において、高次の項の値は…

三四郎のあらすじ

1.九州から上京する鉄道車両中の出来事。途中、名古屋で一泊した際の出来事。名古屋から乗り合わせた老人(広田先生)との対話。 2.実家の知り合いの親戚である野々宮を、帝国大学理科大学の研究室に訪ねる。次いで大学構内池端で休憩中に、美禰子と出会う。…

質量の非線型性

素粒子であるアップクォークとダウンクォークの合計3個の組合せにより陽子や中性子が形成されるという仮説があるが、このクォークの質量3個分の和と比べて、陽子や中性子の質量はかなり大きいと言われている。 同様に、陽子と中性子の組合せで形成される原…

数学と力学の関係について

時間とは、人間が観測した事物のうち規則的に繰り返すと見なされた事象を管理するために発明された、空間に類似した別種の座標軸と考えれば、わかりやすい。 当初は、現代科学でいうところの地球の自転と公転により規則的に生成されるように見える日と年が定…

ユークリッド幾何学と物理学の比較

ユークリッド幾何学の体系は、視覚で得られた情報だけを抽象化して構築されている。 物理学の体系は、視覚による空間情報、筋肉感覚を抽象化した「力」「質量」という仮象情報、伝統的な時間感覚を計時装置を通じて視覚化した「時間」という仮象情報、等を元…

実数について

幾何学に触発された無理数の発見、ニュートン力学に触発された実数体系の構築、という視点で考えると、幾何学図形、質量、力、時間など、諸感覚を基礎として創造された「仮象」を取り扱う過程で実数体系が構築されて来た、という事実が見えてくる。 そこで、…

数の分類

数には2種類あると考える。 ①対象量管理数(あるいは、自然的数) これは、整数と有理数のことで、元来は自然界に存在する事物の量を近似的に表すために使用される。 例えば、自然界に存在する事物、例えば動物の数とかリンゴを4つに切った場合に1/4個のリ…

自然現象を数で記述することの問題点

同一種類の存在物の量を管理するために数を適用する、ということは、均一な空間、時間、質量源に対応する量を管理するのに、数で記述する方法が有効である、ことになる。 空間を例にとると、空間とは素粒子物理学によると粒子・反粒子対が頻繁に生成消滅する…

科学における数の使用とその背景について

数を数えることは、両手の指を利用することで始まったと言われている。その際の数える対象は、身の回りの仲間や動物や植物などの同一種類に分類されたモノの集まりである、のが自然な考え方であろう。言ってみれば、人類の経済活動にかかわる対象に対して数…

量と数の差

測定による実測値でも科学理論による予測値でも、結果として得られる量は数によって表される。 一方で、自然界に数は存在しない、数は人類の創造物である、と考える。 よって、自然界の量と数には写像による対応関係が想定される、とすることが自然な考え方…

数学は自然科学ではない

数学の対象は、自然界の事物に触発され形成された「概念」である。 例えば、数、図形、位相、群、などは、自然界に存在せず、いわば自然界に投影された仮想的対象と考えられる。 ゆえに、数学は自然を対象とする「自然科学」ではない、と考える。

自然認識の段階的推移

第一段階では、自然界において利用可能な存在物の属性が数字や図形を通して認識される。長年にわたり継続されることで、その利便性のゆえに自然界の構造と数学的構造の差異は捨象されて自然の数学化が進み、数学的構造が自然の構造と同一視されるようになる…

数学とは

数学とは、簡単に言うと、量や形象や代数的構造を研究する学問ということになるだろう。 そこで、名称を「形量構造学」と変えれば、本質が伝わるように思う。 「数学」という名称では、数という対象について研究する学問、という一面のみが増幅されて、一般…

数について

まず、目に見えるモノを人類の視点に基づいて分類することによりモノをグループ化する。次いで、あるグループに属するモノが目の前にある時に、その数量を大雑把に把握・管理するために、自然数あるいは整数が生み出された、と考えられる。 そして、把握・管…

ルートビール

ROOT BEERという飲み物が米国にある。一度飲んだが、茶色い炭酸飲料でDr.Pepperのような薬っぽい味で、日本人には好まれなさそうだが米国では一定の人気があるそうだ。 本日、見ていた刑事コロンボの「死者の身代金」に、そのROOT BEERが予期せず登場した場…

数学は美しくない

代数学や幾何学が美しいという意見については、賛成しないまでも言いたいことはなんとなく想像できる。 でも、「解析学は美しい」という意見には、今までの体験による限り賛同できない。 例えば、有名な下記論法のどこが美しいのか? ①ε-δ論法 ②カントールの…

物理学で用いられる式に現れる4種類の等号

1. 法則の等号 2. 定義の等号 3. 概念の間の関係を表す等号 4. 数学的な式の変形を表す等号 「考える力学」兵頭俊夫著より引用

戦国期斯波氏の基礎的考察 を読んで

谷口雄太さんの研究論文を読んで、義満から直臣待遇を受けた甲斐氏が、斯波氏の被官という立場を変えず、戦国時代に入っても斯波氏に忠節であり続けたことを知り、大いに驚いた。と同時に、この論文で描かれる戦国前期の斯波氏の記録は、今まで読んだどんな…

数十年前に読んだ時の読後感とは違って、地味な出来事の連続による構成を好ましく感じ、話の流れに破綻の無い緻密な文章で構成された名作だと思った。一部で批判があると聞く、禅寺に修行に入るエピソードに唐突な感じは受けなかった。起承転結の落差が小さ…

それから

再読してみて、「三四郎」に較べてはるかに緻密な文体で書かれているのに感心する反面、「三四郎」で感じられた余白のある文体による小説世界の広がりや余韻が感じられず、残念に思う。個々の場面と心理描写については興味深く感じたが、一方、全体的な筋の…

二百十日・野分

この2作は小品という位置づけで、世間的には有名な作品ではない。内容は、発展途上国としての日本における明治時代の貧富の差が主題になっており、現代の読者にはしっくりこない感じがある。 草枕と虞美人草の間に挟まれた時期のこれら2作品であるが、草枕…

虞美人草

頻出する修飾的な文語の文章たちがなぜ必要なのか、前後の脈絡との関わりが不明瞭であり、かつ文章自体の意味が不明な箇所が多く、漢詩の好きな読者に対しては受け入れやすいのかもしれないと感じた。要は、余計な表現が多すぎると感じた。次作の「三四郎」…