今日考えたこと

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室町時代概観

室町時代は、武家による中央統治機構解体と再構築の過程であった。

 前半は公家や武家の家格に基づく階層的秩序があるように思えるが、後半は、在京していた上層武家がことごとく没落し、下層武家が主導権を争って登場と退場を繰り返す状況が続く。

 南北朝の動乱を経て幕府の統治機構の整備が進み、上層武家が公家から権限を徐々に剥奪して権限移譲が進むにつれ、武家全体に富と権力が蓄積される。時が経つにつれ、下層武家の地位が相対的に向上する。同時に、武家同士の党派争いが上層武家間の戦を頻繁に発生させる。

 公家の勢力が極小化するなか、武家の力が極大化し、上層武家は絶対権力者の地位に就く。将軍に次ぐ絶対権力者である上層武家で跡継ぎ問題が多発し、実力をつけた下層武家間の派閥争いとの相乗効果により大乱に発展する。この時、すでに権力を失った公家による介入はなかった。

この戦乱により、130年続いた南北朝室町時代の幕が引かれる。

 戦乱により京都における財産を失った公家はますます没落する。京都にいる理由が無くなった上層の武家は、地方に移動する。以後130年余り、上層武家による地方分権推進が、現地に権力基盤を持つ下層武家層の台頭を招き、実力本位の秩序再構築が続く。

室町時代とはどんな時代なのか?』という問いには、『室町時代が終わり江戸時代になると「荘園」という言葉が死語になっていた』という返しが、場合によっては良いかもしれない。