自然認識の段階的推移
第一段階では、自然界において利用可能な存在物の属性が数字や図形を通して認識される。長年にわたり継続されることで、その利便性のゆえに自然界の構造と数学的構造の差異は捨象されて自然の数学化が進み、数学的構造が自然の構造と同一視されるようになる。
第二段階では、自然界の存在物の属性を測定する際に、利便性が高いという定評のある数や図形など数学概念に基づく値の提示が慣習化され、測定手順の習熟とともに数学的に表される自然の属性に違和感を感じる人が減り続ける。
並行して、数学化された自然界における現象の規則性についての仮説の構築、測定値による検証と仮説の有効性評価、法則という名の仮説への昇華作業が、現在に至るまで継続している。