今日考えたこと

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量と数の差

測定による実測値でも科学理論による予測値でも、結果として得られる量は数によって表される。

一方で、自然界に数は存在しない、数は人類の創造物である、と考える。

よって、自然界の量と数には写像による対応関係が想定される、とすることが自然な考え方である。

数により、精密に自然界の各種の量を表すことができるように感じるのが一般的な感じ方だとは思うが、数であらわされた量と実際の量との間には、以下のように様々な差異が発生すると想定される。

まず、物理的量の実数による表現、という写像により、量を表す人工の道具である数と実際の量との間に差異が発生する。まったく差異が発生しない、と信じるのは楽観的にすぎる、と考える。
そして、量を数とみなして提示された科学理論が使用する関数表現により、また、その理論に内在する仮説性により、重層的に差異が発生する。
また、現象が呈する量に対応して測定器に示される、現象の測定結果として得られる量が、数に変換された値である測定値には、複雑な取得過程を経ることで複合的に差異が発生する。

以上のような、発生源を別にする各種差異を定量的に評価する方法は、測定誤差の統計処理を除き、現実には存在しないように思われる。測定値を数学的に統計処理しても、真の値を提示することはできないので、自然界に真の量があったとしても、科学的方法では最終的な判定が不可能と考えられる。

数が、身近な量を管理するために量と同一視して使用されている状況は、自然の数学化、という言葉がよく言い表しているところだが、上述の各種差異を無くすには困難が伴うと考える。