今日考えたこと

得た知識や考えたことのメモをとるのが主目的です

明治39年の漱石

<以下、虚子宛の手紙から抜粋>明治39年4月1日 藤村の「破戒」という小説をかって来ました。今三分の一ほどよみかけた。風変わりで文句などを飾って居ない所と真面目で脂粉の気がない所が気に入りました。明治39年4月4日 藤村の「破戒」というのを読んで御覧…

物理学とは、

人類によって認識される自然現象の因果関係を説明するために、人類の共通言語として厳密性を重んじて構築されている数学理論体系を背景に、実験データによる検証の繰り返しを経た数式表現の法則群により築かれている理論体系であるが、精密科学の装いをまと…

草枕

1.山道を登りながら考えて、馬子に会う 2.茶店で休憩し、店のおばあさんから那美さんのことを聞く 3.宿に泊まり、夢うつつに部屋に入って来た女性を見る 4.詩吟し、部屋の書を鑑賞し、宿の家の娘那美さんと会話する 5.床屋で髪を切りながら、東京出身の腕の…

三四郎

久しぶりに読んでみて、ようやく、大きな話の流れが頭に入った。 いい作品と感じるのは以前と変わらない。しかし、新聞連載小説のためか、話の流れが行き当たりばったりで、同じ人物の描き方に濃淡があり、時々違和感を感じた。 そして主人公の気持ちの動き…

坊ちゃんと草枕

先週、生まれて初めて「坊ちゃん」の全文を通読し、「草枕」と類似の作品であるということを感じた。 「坊ちゃん」は、卑怯な生き方のできない若者の話であり、「草枕」は美しいものだけを探求しようとして生きている画家の話。どちらも、俗世間の煩わしさか…

Star Trek

Too optimistic, simplified, convenient technologies for the plots are underestimating many kinds of difficulties in the Space. Need to care not to mislead ordinary people.

彼岸過迄

久しぶりに漱石の一冊を再読した。 最初は、どんな話だったか、となつかしく思って読み始めた。 読んでいる間、話の進め方に難があるように感じた。千代子が須永を非難する場面が唐突過ぎて、話の流れとして不自然だと思った。「明暗」とか「こころ」に似た…

荘子

荘子が恵子とともに濠水の橋のたもとを散歩していた。 荘子が言うには、「ハヤがのびのびと泳ぎまわっている、あれこそ魚の楽しみだね」。 恵子が答えた。「君は魚でもないのに、どうして魚の楽しみがわかるんだい」。 荘子「君は僕じゃないのに、どうしてぼ…

室町時代概観

室町時代は、武家による中央統治機構解体と再構築の過程であった。 前半は公家や武家の家格に基づく階層的秩序があるように思えるが、後半は、在京していた上層武家がことごとく没落し、下層武家が主導権を争って登場と退場を繰り返す状況が続く。 南北朝の…

或る一日

昨日は、秋葉原で高機能部品を探し、上野の黒船亭でランチし、池沿いの横山大観旧居に立ち寄り、近所の大学敷地を散歩した。大学の門から出た春日通りの道端で、高校が一緒だったある土木工学者と37年ぶりにばったり出会った。 最後に、春日通り沿いにある、…

スイッチ交換で試行錯誤した件

①片切 3線式:脱衣場とトイレの換気扇スイッチ2カ所②3路:廊下照明のスイッチ2カ所③片切:部屋その他の照明スイッチ10カ所 以上の3種類が、自宅の壁スイッチに使用されていることを学んだ。片切3線式の情報は一般のWebサイトからは得られず、試行錯誤…

奥の細道 その1

先日、「奥の細道」に登場する町ということに惹かれて、栃木県大田原市黒羽の町を数時間散歩してみた。古くからの伝統を守っている店が散在する通りもある小さな城下町であり、真ん中を流れる那珂川沿いに釣り人が多かったのは昼食で食べた鮎が釣れるためだ…

物理法則を取り扱う際の注意事項

物理学には、いくつかの原理的欠陥がある。 まず、現象の観測時に得られる有理数の測定値には、原理的に誤差が含まれる。物理法則を絶対確実に検証することは不可能である。 誤差を捨象しても、論理的に構成された実数体系、に基づく解析学を基礎とする物理…

俵万智

思い出の一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ この歌には3つの驚きを感じる。 1.自分も同じことを感じたことがあり、深く共感する。 2.その同じことを、巧みに31文字の口語で表現している。 3.作者の他の歌とは方向性が正反対なのに…

数学の本性に関する仮説

1探求の道具、2問題への解答、3研究の対象 という段階を経て独立した概念となる対象が、数学的対象といわれるものである。 例として、5次方程式の解の存在を調べるための方法として登場した置換群から生まれた群論があげられる。頭脳内で人が行う「置換…

天下統一

戦国時代に、一向一揆が一国を支配したケースが、例外的に存在する。 戦国時代が終わると、全国が武家の支配になった。なぜ、一向宗は武家に負けたのだろうか? 先入観なしに考えると、一向宗のような宗教が天下統一を行えば、極楽浄土が地上に実現するはずな…

暗い旅

倉橋由美子の「暗い旅」を、35年余り経って再度読了した。 当時、高校生あるいは大学生の私にはよく理解できなかったストーリーの流れがかなり把握できたように思う。 全般的に、女性の内面の思考の流れがストーリーのほとんどを占めているので、共感すると…

李白

故人西辞黄鶴楼 煙火三月下揚州 弧帆遠影碧空盡 唯見長江天際流 三句目、(揚子江上の)「弧帆遠影」という言葉が情景を彷彿とさせる。 想像を進めていくと、景色がだんだん見えてきて、映画の一場面のような雄大な情景となる。 「碧空」という言葉はこの詩…

アキレスと亀の話について

アキレスという俊足の人間がのろまな亀に追いつけない、というパラドックスがある。これについて分析してみた。 計算の簡素化のため、アキレスは亀の10倍の速さで100の距離前方にいる亀を追いかけるとする。 (1)アキレスが100の距離を進んで亀の出発地点に着…

室町時代

香西氏の動向は、細川氏の動向と同期しており、さらには室町幕府の動向と同期している。 元来、北朝方の武家であり、建武の新政や観応の擾乱に細川氏と関連して、少し登場してから義持期までは、ほぼ表舞台に登場しない。 その期間の転機となったのは康暦の…

史料における香西氏

建武四年(一三三七)六月二十日 讃岐守護細川顕氏、三野郡財田においての宮方蜂起の件につき、桑原左衛門五郎を派遣することを伝えるとともに、要害のことを相談し、共に軍忠を致すよう書下をもって香西彦三郎に命ずる。 正平六年(一三五一)十二月十五日 …

1Q84

先週日曜日から1週間かけて、「1Q84」を読破した。この作者の小説は大体読んでいるが、この作品のような物語を創造できるのは、たいした才能だと思う。文章の格調は高くないので、改善の余地はかなりあるにもかかわらず、話の筋が面白いので気にならなくなっ…

勝賀城

先日、讃岐の高松市にある勝賀城に登った。 頂上までの道は険しく気温が高かったので、何度か休憩しながら30分間前後のきつい登山だった。 頂上には、比較的広い主郭であったと思われる広場があり、土塁もかなりはっきりと原型をとどめている状態のように思…

久しぶり

久しぶりの作文です。 前のブログへの投稿から、しばらくたち、いろいろの経緯を経てここに来ました。 再び、数理科学や室町時代について、思いついたことを書き留めていく所存です。